忍者ブログ
メキシコ、カリフォルニア、日本 暮らしへの好奇心は尽きない
[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

トリニダの通りに咲く人生


(キューバの古い町TRINIDAD/トリニダ)

1514年に建設されたTrinidadは、1988年に世界遺産に登録されたコロニアル様式の街並みが残る歴史的な町だ。そんな500年前の街並みを見たくて、ハバナからバスに乗って出かけた。

到着して早速宿に荷物を置いて町に繰り出すと、道端で盤上ゲームを楽しむ人々を見かけた。年齢も肌の色もまちまちな男女が楽しそうにゲームに講じてる。その横を知り合いが通るたびに一声二声かけてゆく。そのたびに大げさな声をあげて言い返す。ゲームの様子を覗き込んでいく者もいる。何だかとても微笑ましい光景だった。

この光景を見ていてある寓話を思い出した。以前読んだ本に出ていた話だ。簡単に言うと、アメリカ人の観光客が南の島に休暇でやってきた。彼は、小さな手製の船で漁に出て少しだけ魚を獲って戻ってくる地元の漁師を見て言った。『もっと大きな船と網を手に入れればもっとたくさんの魚が獲れるのに。そしてお金が入ったら工場を作り、缶詰に加工して売るようになればよりたくさんのお金が入ってくるのに』。すると漁師はアメリカ人に尋ねた。『それだけお金が入ってきたらどうなるんだい?』アメリカ人は答えた。『朝から釣りをして、そのあとはハンモックで昼寝して、夜は友達と酒を飲んでギターを弾いて歌えるような暮らしが出来るよ』と。漁師は言った。『それならもうやってるよ』。

日本では、多くの人が『定年になったら悠悠自適な生活を送ろう。それまでは我慢の人生だ』とひたすら仕事のことを最優先にした生活を送ろうとする。しかし、現実は定年退職した人(男性に多い)は暇を持て余し空虚な毎日を送ることも多いと指摘されている。僕は、道端でゲームに講じるこのキューバの人たちは暇を持て余して遊んでるわけじゃないと思う。それ自体が生活の一部になってるんじゃないかな。たぶん彼らの頭の中には遊んでるという意識はないと思う。自分たちは今、日課をこなしているだけだと。これが自分たちの生活なんだと(実際はそう考えることすらないだろうけれど)。彼らは、“心に反した行動を取る”という我々が当然のごとく行っている行為をすることはなさそうだ。寓話の漁師じゃないけれど、『それをしていったい何が得られるの?』と聞かれるのがおちだろう。

“自分が何をやりたいのか”、その部分に目をつむって生きてると、いざ時間が出来たときに困ると思う。先延ばしにするんじゃなくてそれをやりながら生きられないか。やりたいことがたくさんあるのが豊かな人生の要素の一つだ。ならば今やらずにいつやるのかと思う。
PR
コメントを投稿する

HN
タイトル
メールアドレス
URL
コメント
パスワード
この記事のトラックバックURL:
カウンター

WELCOME TO Move On

異文化と自然を愛するイグアナ楽団のページへようこそ。これまでメキシコとアメリカに合計10年住んできました。それ以来人生の歩き方をテーマとして追い続けています。海外を旅するといつも考えさせられる豊かさとは何か。それについて思ったことを書いていきます。
プロフィール

HN:
イグアナ楽団
性別:
男性
自己紹介:
好きな言葉:「生きていくうえでもっとも大切なことは、自らを律し、可能な限り自分に正直であること」
by Robert Redford

mail : cocovenice@gmail.com
人生のお買い物

最新コメント

[05/13 Backlinks]
[03/25 イグアナ]
[03/17 ハナ]
[02/05 ハナ]
[09/24 イグアナ]
最新トラックバック

アクセス解析

バーコード