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メキシコ、カリフォルニア、日本 暮らしへの好奇心は尽きない
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もう自転車は漕がない 上海的移動術



去年上海に行ったときに、ふとあることに気が付いた。

自分が歩くその脇の車道を自転車が音もなく通過していくのだ。
しかも乗ってる人がペダルを漕ぐことなく。

最初は気にも留めなかった。
自転車は漕ぐものという固定観念みたいなものがあったから。

でも次第に何かおかしいということになり、意識して見てみると、
自転車はみな車道を走っていて(自転車専用レーンらしきものがある)、
しかも殆んどが電動機付きだったのだ。

ひょえ~。日本よりだんぜん進んでる!!!

停めてある自転車をつぶさに観察してみた。

普通の、どちらかというとダサめの自転車に、無理やり付けました
っちゅう感じで電動機が付いている。見事なアンバランスさだ。
でも何か不思議と力強さだけは感じた。

多分、誰かが「もうちんたら漕いでらんねえよ」とある日マイ自転車に
電動機を付けたんだろう。それを見た隣人が一斉にマネをしたんだろう。
そしてそれが一気に広まり当局も「そんな程度のことはほっとけや」と
動ずることなく、規制されることもなく今日に至っているのだろう。

中国は早い。これがいいとなったらすぐにやる。
法律なんて気にしない。彼らにとって法律なんて所詮時の為政者が
勝手に決めたことで、自分たちに危険が及ばない限りはそんなもの
どうでもいいのかもしれない。

この素早さが風を産み、風がうずを産み、うずがエネルギーとなって
新しい産業が勃興するのだろう。
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ANAでゆく魅惑の魔都上海


(豫園近辺)

それは豫園に行ったときのことだ。側道に立って道行く人を眺めていたら向こうから2人の女性がやってきて、シャッターを押してくれという。快く引き受けてカメラを返すと、1人が片言の日本語で『日本の方ですか?』と聞いてきた。内心きたーっと思った。なぜかってかってキューバでもこんな感じで痛い目に遭ってるからだ。一般的に言って海外で旅行者に近づいてくる人間にろくな奴はいない。だからこの時も警戒しながら、『はい』と短く答えた。

すると、『私、杭州で日本食レストランミヨコやってます。刺身、天ぷら、お吸い物大好きです。今日は学生時代の友達と上海に遊びに来ました』と話す。そして、『私のお店、日本の人たくさん来てくれます』と続いた。年のころ、25、6位か。そう話す女の子は少しダサめの帽子を被り、あられちゃんのような眼鏡をかけて顔にはそばかすがあった。どう見ても田舎から上海見物に来た中国人観光客に見える。おまけに彼女は日本レストランをやっている。そんな親日的な中国人を不快に思う日本人はあまりいない。僕は次第にガードを下げ始めていた。そして気が付くと3人で変な日本語と英語で会話をして盛り上がっていた。

すると突然彼女が、これからどこ行きますか?』と聞いてきた。時は午後2時を過ぎたころ。僕はこの後、2kmほど歩いて戦前日本人居住区があった虹口方面へ行くつもりだったのでそう伝えると、『私達これから中国の茶のカフェに行きます。近くですので一緒に行きませんか?』ときた。実は前から中国式ティーセレモニーには興味があってこの滞在中に行くつもりでいた。これはいい機会だぞ。中国の人と一緒に行くティーセレモニーはさぞかし面白いんじゃないかなという思いが心の中を漂いはじめた。相手は女性2人だし時間もまだ早い。しかも他にも客がいるカフェテリアだ。危険があるとは思えない。そこで『じゃあ軽く』と返事をした。

話がまとまり、さあ行くぞとなったとき、向こうから『おーい』と男が駆けてきた。聞くともう一人の友人でトイレに行っていたという。一瞬変な感じがしたがそれ以上気にせずそのまま歩き始めると、タクシーで行けば5分で着くからそうしようと言ってきた。そうまでしなきゃならないのなら断ろうと思ったが、気が付くと目の前にタクシーが停まり有無を言わず乗り込む羽目になった。そして10分ほど走ると雑居ビルの前に停まったが、辺りにカフェテリアがあるような雰囲気はない。少し怪しいぞと思ったけれどそのビルの正面の看板に“~茶”という文字が見えたので少し安心し彼女達の後についてビルの階段を上がった。

2階に着くとそこにはふつうの鉄のドアがあるだけだった。さすがにこれは様子が変だなと思い、ここから出たほうがいいぞと心のセンサーが語りかける。すると、その瞬間ドアが開き人の良さそうな若い男が立っていて、奥には上海の茶販売店で見かける大きな木のティーテーブルが見えた。そこでここはカフェではなくてお茶を買わせるところだと分かった。僕は茶葉を買いたいんじゃなくてお茶を飲みたいだけだったのだが、わざわざタクシーでここまで来て帰るわけにはいかない雰囲気になっており、もう観念して楽しむことに決めた。

テーブルに僕たち4人は同じ向きに座った。真ん中の奥側が自分で、男は入り口に近いところに座った。客に逃げられないためだろう。しかし、それからにこにこ顔の主による丁寧なレクチャー付き茶の飲み比べが始まった。知ってるのはジャスミン茶、ウーロン茶位だが、その他に苦いのやら、甘くて花の香りのするのやら6種類を堪能した。その間、中国茶のことや漢字の意味など結構面白い話をしてくれ、おまけにもう一人の男は手品まで披露してくれ楽しませてくれる。そして最後に今まで飲んだ中で一番好きなお茶を決めると、それを容器に入れ中国お守りと一緒にくれた。

1時間半ほどの接待が終わり勘定を払う段になった。このときまだ僕は完全にはだまされたとは思っておらず、彼女たちは日本から来た僕のために伝統的なところに連れてきてくれたんだと思っていた。まさか彼女たちがグルだとは思わなかったので、全員の分は自分が持つくらいはしてやろうと思っていた。ところが示された請求書を見て目が点になった。そこには、なんと“2000元”(約25,500円)とあったのだ。『え~こんなするの?』と思わず日本語が出た。そして信じられないよなあ的な独り言をぶつぶつトゥイートしてたら、相手は『1500でOK』と値段を下げてきた。ちなみに中国の茶屋では利き茶は無料。茶の値段も今回もらったものだとせいぜい400円くらいだろう。周りの女たちはその光景を固唾をのんで見守っている。こういうときに変に物わかりがいいのが日本人の長所でもあり欠点でもある。“だまされたのは自分の落ち度だ。その分は楽しんだ。これもいい経験だ。いい土産話が出来た”と単なる失敗を見事に肯定化してすり替えるテクニックを駆使し自分を守ろうとする。もちろん自分もそうした。

お金が足りなかったのでホテルまで主と一緒に行くことになった。外に出てタクシーを捕まえるまで女達も言葉少なに着いてきた。ここで怒ってもしょうがない。ここまで来たら最後までだまされたことを知らない、いい友人を演じ続けようという気持ちだった。いったいどこまでバカなんだ俺?さよならを言ってタクシーに乗り込んだ。振り返ると、彼女達はもうさっきとは打って変わった厳しい表情で、日が傾いてきた上海の雑踏に消えていくところだった。その瞬間、僕は上海がその昔、“魔都”と呼ばれていたことを思い出し、ひとり納得した。
上海の虫市場


(満州キリギリス)


(キリギリス)

上海に行ったときに骨董品を見に行こうと、“東台路骨董市場”に出かけた。一通りぶらぶらしたけれど、どこも似たり寄ったりの品揃えで値段も観光客相手のせいか高めだったのでそのうち見るのを辞めて、さらに西のほうへ行ってみることにした。そこで、すぐ目の前の西蔵南路を渡ったら、何やら騒々しい感じが伝わってきた。そこで何事かと足を踏み入れると、そこは虫や鳥などのペットを扱う“上海万商花鳥虫交易市場”だった。

上海のペット市場は物量の多さで圧倒していた。というか少々狭めの路地にわさっと店が立ち並んでいるために、そう見えてしまうのかもしれない。とにかく日本ではお目にかけない生き物たちと陳列方法に好奇心が刺激されっぱなしだった。その中でも目を引いたのが“虫”コーナーだった。そのグロさ(単に自分が見慣れてないだけで虫は生まれてきた姿のままでいるだけで何の罪もない)もさることながら、大の大人達が真剣に品定めをしているその姿に、新鮮な感動を覚えた。

生き物と言えば、人は誰しも“生き物ビックリ遭遇体験”を持っている。『こんなびっくりするのを見た』という経験だ。僕の場合も三つある。一つ目は幼稚園の頃。神戸の六甲山の森を家族と歩いてた。家族と少し離れて歩いていたら、胴体だけで軽く直径30cmはある大ガエルと鉢合わせした。奴はしばらくじっとしていたが、そのうち森の奥へと消えていった。二つ目はメキシコのプエルト・バジャルタに住んでいたとき。ある夜更け、ベランダの椅子に座り月を眺めていたら、15メートルほど先の塀の上をカピパラのようなネズミを巨大化させたような生き物が2匹よろよろとどんくさそうに歩いていた。あまりの不思議な光景に唖然としていたら、その2匹は崩れ落ちるように隣の空き地へ姿を消した。いったいあれは何だったんだろう?もう一つは、ペルーのアマゾン川支流のジャングルで。森の中を歩いていたらガイドが止まれと合図する。その目の前には黒っぽい巨木が生えていた。突然ガイドがパンっと手を叩くとその木の表面が動き出したのだ。思わず腰が抜けそうになったが、よく見ると何千何万匹のムカデが木にへばりついていた。

本当に世界は広く生き物もたくさんの種類がいる。僕たちはその殆んどを知らずにあの世に旅立ってしまうのだ。そう考えると、たまには未知の生物に会いにいくのもいい。でも、だからと言って、“つちのこ”探しするのはどうかと思うけどね。
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WELCOME TO Move On

異文化と自然を愛するイグアナ楽団のページへようこそ。これまでメキシコとアメリカに合計10年住んできました。それ以来人生の歩き方をテーマとして追い続けています。海外を旅するといつも考えさせられる豊かさとは何か。それについて思ったことを書いていきます。
プロフィール

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好きな言葉:「生きていくうえでもっとも大切なことは、自らを律し、可能な限り自分に正直であること」
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