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メキシコ、カリフォルニア、日本 暮らしへの好奇心は尽きない
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注:以下の文章にはおセンチスパイスが効いています。
黄昏アレルギーでお医者さんから飲用を止められている人はご遠慮下さい。 夜、東京のビル上階の自室でデコポンを食べていた。 すると、「キイイイィ」と車が停まる音が。 久々に聞いた大型車のきしむ音。 むむ、懐かしい音だ。今日日こんな音を東京で聞くなんて。 油のさしが甘く、かなり古い部品を無理して使ってる古い大型車 特有のブレーキ音だ。 その音は稲妻のように体を駆け抜け、僕の脳に化学変化を起こした。 その瞬間、心は中米に飛んでいた。 夜が訪れた田舎の幹線道路。通る車もほとんどない。 地名の書かれた錆びた表示板も折れてぶら下がったままだ。 道端の簡易食堂でもう何時間もバスを待っている。 テーブルの上には気の抜けたぬるいコーラーと鳥の骨。 他のテーブルには大荷物を抱えた初老の夫婦や、テンガロンハットを 被った2、3の男たち。帽子が影になって表情は見えない。 誰もがすることもなく外を眺めている。 ラジオから流れ出るランチェロの音色だけが空間に漂う。 朝からバスに乗り続け、濃い緑と赤い大地を見続け今ここにいる。 地方を結ぶ路線バスの接続点には観光客などめったに来ない。 自分とて二度と訪れることはないだろう。 突然紛れ込んできた異邦人に注意を払う者もいない。 夜の闇が人恋しさをつのらせる。 会社の人に告白され迷っていると先日の国際電話で泣いていた彼女のことを思い出す。 怒って電話を切った未熟な旅人の待つバスはまだ来ない。 この夜、東京で聞いた車のきしみ音は懐かしい旅への招待状だった。 お金も時間もかからない旅。 そしてちょっぴり甘酸っぱさをともなった旅。 PR コメントを投稿する
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WELCOME TO Move On
異文化と自然を愛するイグアナ楽団のページへようこそ。これまでメキシコとアメリカに合計10年住んできました。それ以来人生の歩き方をテーマとして追い続けています。海外を旅するといつも考えさせられる豊かさとは何か。それについて思ったことを書いていきます。 プロフィール
HN:
イグアナ楽団
性別:
男性
自己紹介:
好きな言葉:「生きていくうえでもっとも大切なことは、自らを律し、可能な限り自分に正直であること」
by Robert Redford mail : cocovenice@gmail.com 人生のお買い物
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