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メキシコ、カリフォルニア、日本 暮らしへの好奇心は尽きない
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ブエノスアイレスから見えてきたこと


(ブエノスアイレス中心街。あちこちで見世物が行われている。ビバ人間!)

ブエノスアイレスの町を歩いているときにずっと活気のようなものを感じ続けていた。そのときはそれ以上考えることもなく終わったんだけれど、帰国したある日ふとその謎が解けた。それはブエノスアイレスでは町の中心から外に向かって行けども行けども商店が続いているからだと気が付いた。

ブエノスアイレスではチェーンの商店も少なくなさそうだが個人の店も多そうだ。最高でもせいぜい3、4階建てくらいまでの低層の建物が連なり商売を営んでいる。酒屋から肉屋、クリーニング店から文房具屋。ちょうどオーナーと店員がそれぞれ一人ずついるくらいの温度がじかに伝わってくる規模だ。それぞれの店が馴染みのお客さんを引き付け町中に人があふれる。僕はそれが町に活気をもたらしている原因じゃないかと思う。

この町にもし大手のスーパーや安売り店が出来たらどうなるだろう。派手な宣伝や安売りでお客さんはそちらに流れていくかもしれない。そうすると店をたたむ人が出てくるだろう。また大手の進出で土地の値段も上がり、空き地になったところを借りて新たな商売をやることもままならなくなる。そのうち人の流れは変わり、そこは安売りだけを求める人が集まるだけの味気ない町に変わっていく。それはまさにどこかの国で起こっていることだ。

今週銀座を歩いていたときに、同行した人が教えてくれた。「どうして銀座にはまだ個性的な店が残っているか知ってる?」「それはね、銀座は昔から自分の土地で商売をやっている人が多いからなんだよ。地代がかかんないから商売も続けやすいんだよ。それで昔からずっと同じ店をやり続けられるわけ」。

なるほど。銀座の魅力は大型デパートだけではなくて、老舗の菓子屋、洋服屋、食べ物屋が残っているからだ。そんな店が町に個性を与えている。でも銀座は、今後も大手資本が町をいじくることはあっても、今以上にしっとりとした味わいは出てこないと思う。なぜなら地価が高すぎてもう個人で店を出せるところではないからだ。

国は税収と雇用を増やすために個人に起業しろと進める。個人も店をやりたい人はたくさんいる。でも固定費、とくに地代が高くてあきらめざるを得ない。例え開店にこぎつけても、地代が高すぎて商売が軌道に乗るまで資金が持たないのだ。こういうことが起業の足かせとなっている。その結果、結局はどこにでもある、同じマークを持つ大きな店が建つことになり、僕らが望むものとは大きくかけ離れた町が出来てゆくことになる
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異文化と自然を愛するイグアナ楽団のページへようこそ。これまでメキシコとアメリカに合計10年住んできました。それ以来人生の歩き方をテーマとして追い続けています。海外を旅するといつも考えさせられる豊かさとは何か。それについて思ったことを書いていきます。
プロフィール

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自己紹介:
好きな言葉:「生きていくうえでもっとも大切なことは、自らを律し、可能な限り自分に正直であること」
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