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メキシコ、カリフォルニア、日本 暮らしへの好奇心は尽きない
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2001年メキシコ太平洋側の町でのんびりと暮らしていたころのこと。隣にはメキシコ人夫婦が住んでいた。
夫のベニーは山本譲二似のずんぐり体型のアラフォー男だが、凛々しい顔つきのかなりのモテ男だった。不動産の仕事をしているらしいが一体いつ働いているのやら。朝8時ごろ釣竿を持ってダーっとアパートの階段を駆け下りていったかと思うと、午前3時ごろ危なそうなおやじと家から出てきてどこかに消え、そのまま2日ほど戻らなかったりする。そうかと思えば、昼間に白いシャツにネクタイを締め、颯爽と道を歩いている姿を見かけたりもする。 妻のルルは20代後半の白人系美人ラティーナで笑顔がチャーミングな女性だ。そんな二人の間には3歳になる絵に描いたような悪ガキが一人いる(みんなで海へ遊びに行ったときにこの悪ガキに料理に砂をかけられた。順調に“ラテン・ワル”への道を歩んでいたようだ)。実はベニーにはそれ以外に前妻と、別の愛人との間に計3人の子供がいた。 そんなベニーの夜遊びに、ルルの怒りが時たま爆発する。激しく言い争う声がしばらく続いたかと思うと、突然鳴り響く“バチーン”と横っ面を引っ叩く強烈な音。耳をつんざく怒声と体が壁にぶつかる振動。やがて聞こえてくるのはルルの泣き声と鼻をすする音。あまりの激しさに壁越しに聞き耳を立てる僕たちも思わず固まってしまうほどだった。 しかしルルも負けてはいない。家中のものを片っ端からベニーに向かって投げつける反撃にでる。隣の家から放り投げられた物が空中を横切っていくのを何度も目撃した。入居早々アパート前の道にズボンが落ちているのを見て、「これは何だろう」とずっと不思議に思っていたが、その謎も解けた。粗大ゴミで出されていた比較的新しいオーディオセットも喧嘩の産物だったようだ。 結局最後は悪態をつきながらベニーが家から出て行くのがお決まりのパターンだ。しかしそれから2,3日もすると、もう何事もなかったかのように再びいちゃいちゃしている。そんな二人を見て、恋愛のない人生なんて考えられないラティーノにとって、一見不毛な痴話喧嘩もここでは愛情維持に欠かせない肥やしのようなものなんだなと深く納得させられた。 ある日、彼らの部屋の前を横切ったとき、ふと見るとそれぞれ片親違いの子供達がソファーに一列になってテレビを見ながらアイスを食べていた。親同士は恋敵でも子供は別ということか。そのあどけない子供達がなんとも微笑ましくて、思わず笑みがこぼれてしまった。細かいことにこだわらないお国柄。大らかだねラテンは。 PR コメントを投稿する
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WELCOME TO Move On
異文化と自然を愛するイグアナ楽団のページへようこそ。これまでメキシコとアメリカに合計10年住んできました。それ以来人生の歩き方をテーマとして追い続けています。海外を旅するといつも考えさせられる豊かさとは何か。それについて思ったことを書いていきます。 プロフィール
HN:
イグアナ楽団
性別:
男性
自己紹介:
好きな言葉:「生きていくうえでもっとも大切なことは、自らを律し、可能な限り自分に正直であること」
by Robert Redford mail : cocovenice@gmail.com 人生のお買い物
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