
この“リストラなう!”って本を半分まで読んだところ。いや、思った以上にいろいろ考えさせられるので、なかなか進まない。この本の利点を自分なりに考えると以下の3点が挙げられる。
①出版業界の仕組み(出版社~取次ぎ~書店~著者)、出版社という未知の世界の様子が分かる。
②いろんな人から寄せられたコメント自体が面白く、読みながら自分を振り返らせてくれる。
③白熱したコメントから、人間という生き物がじっくりと観察できる。
③について今回読んでいて思ったのは、人ってのは勝手な思い込みで突き進んでいくんだなあということ。どういう事かというと、著者が書いたブログに対して、著者は恐らくそんなこと意図していないのに読み手が勝手にある風に捉えてしまいそれをもとに意見を述べる。で、またその主張に他の読み手からこれまた勝手な思い込みによる反論が来たりして現場は修羅場と化す。そんな状況が見受けられる箇所があり、こんなことを思った次第。でも、たまにその中に珠玉の名言が埋もれていたりして、読むのも疲れるけど見過ごせなかったりするのだ。
この思い込みについては、心理学者のアルバート・エリス氏も言っている。「問題は出来事の受け取り方で生じる。だから受け取り方を変えれば問題は消える」と。僕もそうだがほとんどの人は実生活で思い当たるふしがあるんじゃないかな。
例えば、家庭で妻が仕事から帰ってきた夫に、「ねえ。隣の山田さん。新車を買ったんだって!」と話したとする。すると、ここ10年車を買い換えていない夫は、自分が非難されたと受け取って機嫌を損ねてしまう。妻は単に客観的な出来事を話しただけなんだけど、夫の受け取り方一つで険悪な状況になってしまう。こういうケースって身の回りに溢れてる。また、“誤解される”って言葉がある。これは自分が原因のこともあるけれど、実は相手の受け取り方が原因だというケースも多い。
ふーっ。人間って脆い。だから昔から禅修業などに馳せ参じて“物事をありのままに見る訓練”を積もうとしてきたのかもしれない。人間てそんなもんって思えるぐらいがちょうどいいんだろうね。
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