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メキシコ、カリフォルニア、日本 暮らしへの好奇心は尽きない
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ウェルカン!



日本からヨルダンの首都アンマンに着いた日の夜、早速カメラ片手に町に繰り出した。見るもの聞くもの珍しい。アートを見ているような神秘的なアラビア文字。町の真ん中にどっかり腰を落ち着ける中世からのモスク。いったいどこで着るのか首を傾げたくなるような店先に飾られてる派手な女性服。好奇心のアンテナはあちらこちらからの信号をキャッチし続ける。

ある通りでカメラを構えていると、向こう側から、大声と共にこっちに向って手を振る二人組みがいた。そこで通りを横切ってその声の主のほうに向って遭遇したのが写真の二人。気の良さそうな親子とおぼしき二人はニコニコとものすごい笑顔と歓迎のオーラを全身から発している。そこで「何だ?」と聞くと、英語が分からない彼らは、「俺たちを撮れ」とジェスチャーで答えてきた。

海外に行ってカメラから逃げようとする現地人はたくさん見てきたけれど、こういうふうに自分達を撮れと言ってきた人達ははじめてだったので一瞬面食らったけど、彼らの熱意というかまったく混じりけのない純粋さのようなものを感じて、喜んで撮らせてもらった。その間、何だか本当に嬉しそうに撮られている二人。こんな嬉しそうな笑顔見るの久しぶりだよなあなんて思いながら、2,3枚撮ってあげた。

撮影の後、二人は、「ウェルカム!」という言葉を残して夜の雑踏へ消えて行った。そのウェルカムも、英語式のじゃなくて、ルを少し巻き舌風に発音しムをンに言い換え少し余韻を残す「ウェルカンッ!」だ。実はこれ以降、中東を旅行中、いたるところで「俺を撮ってくれ」と言われ、至るところで「ウェルカン!」と言葉を投げかけられた。「ハロー」や「ハイ」じゃなくて、「ウェルカン!」なところに中東の人懐っこさのようなものが感じられて少し微笑ましくもある。

観光立国を目指す日本。子供たちに、外人を見たら「ウェルカン!」と言うように教育しよう。その一言で彼らは日本に来て良かったと思ってくれるだろうし、そこからコミュニケーションが始まる。習っても使わない日本の外国語教育にとっても効果的だと思うんだけどなあ。
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美味すぎるよハビーバ

アンマンのダウンタウンに、HABIBA(ハビーバ)というテイクアウトのスイ-ツ屋がある。ここがとんでもなくうまくて、連日連夜大勢のヨルダン人で賑わっている。そんな彼らは口を揃えて、「ヨルダンで一番うまい菓子屋だよ」とのたまう。もちろん僕も毎晩通った。


ここでは、カナーファやオスマイリアと言われるアラビア菓子の出来立てアツアツを提供している。カナーファは薄焼きの生地の中にクリームやチーズ(淡白な羊のチーズのよう)が挟まっていて、その上からシロップをかける。オスマリーエは、生地の上にチーズを乗っけてオーブンで焼き、その上に細い麺のようなものを素揚げしたのが乗っけて同じくシロップをたっぷりとかける。このシロップをかけると日本人の自分には甘すぎるので、シロップをスプーンで削り落として、尚且つハーフサイズ(元気よく“ノス!”と言おう)を注文した。


毎日午前0時までの営業で、特に夜の11時ごろに行くと、アンマン中の腹ペコ野郎がこのスイーツを求めにやってきて、日夜真剣勝負が繰り広げられている(写真の男どもの熱いまなざしに注目!)。このハビーバは他にも店舗があるが、このダウンタウンの路地を入った支店は男性客が殆どで女性はたまに外で連れの男性が買ってきたのをぱくついてるのを見かける程度。客の多くは店の外で立ち食いして去っていくので、きちんとゴミ箱が設置されているのだが、4割はその辺に捨てていく。一度それをたしなめているおじさんを見かけたら、言われた高校生くらいの男はしぶしぶ従っていた。


ある夜、1人の“いい顔”に目が留まった。実に幸せそうないい顔をしてる。なんていうか、嬉しくてたまんないっていう表情。この菓子を子供の頃からずっと食べ続けてきて、本当にこの菓子を愛しているっていう顔だ。思わず唸らされた。そしてその夜は人の幸せというものについて深く考えさせられた。幸せって思ったより身近なところにあるのかも。貪欲に、より複雑な中からベストなものを見つけようとするから、幸せは逆に逃げて行ってしまうものなのかもしれない。
アンマンの親切



写真の人はアンマン(ヨルダンの首都)の街中で、途方に暮れていた僕をホテルまで送ってくれた親切な人。初めて着いた地で、僕がホテルまで行きたいと言うと、セルビス(マイクロバス)やタクシーをつかまえて同行してくれ、お金まで全て払ってくれ、しかも家に帰るところだというのに反対の方角へ1時間も時間を使って僕を送ってくれた。

優しすぎるよ。親切すぎるよ。あにき。お陰で、トランジットで寄ったドバイの超混みトイレの中でメガネケースを掏られたいやな思い出なんかとっくにとんでいっちゃいましたよ。

日本にはここまでしてくれる人はもう絶滅したけど、中東にはまだまだ健在なんですねえ。自分のことで精一杯で、みんなにごった眼して落っこちないように必死な国から来て、さほど裕福とも思えない国の人からこんな扱いを受けると本当に考えてしまうんだよなあ。いったい何を失っちゃったんだろうって。ひとつは余裕であることは間違いないんだろうね。
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WELCOME TO Move On

異文化と自然を愛するイグアナ楽団のページへようこそ。これまでメキシコとアメリカに合計10年住んできました。それ以来人生の歩き方をテーマとして追い続けています。海外を旅するといつも考えさせられる豊かさとは何か。それについて思ったことを書いていきます。
プロフィール

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イグアナ楽団
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男性
自己紹介:
好きな言葉:「生きていくうえでもっとも大切なことは、自らを律し、可能な限り自分に正直であること」
by Robert Redford

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