エジプトの地中海沿いの町アレキサンドリアに行った理由は、中東の肉食に飽きそろそろシーフードが食べたくなったことと、世界一古い図書館で本を読んでみたかったからだ。
アレキサンドリアに図書館が出来たのは紀元前300年ごろらしい。大金を注ぎ込み世界中の貴重な原本を集めていった図書館にはユークリッドやアルキメデスらも通った。当地を治めていたクレオパトラも訪れたことだろう。地中海を望むように建っていた当時の知の宝殿はどんな様子だったんだろう。そんな思いを胸に2001年に再建された建物を訪れた。
入場券を買って中に入って驚いた。階が段々上になっているのだ。最上階まで行くと遥か下まで見渡せる。天井がかなり高い位置にあるので解放感がすごい。フロアにはたっぷりと読書スペースが取られ、エジプト人の学生が勉強している。建物中にはギャラリーや博物館などもあり、フロアには古い印刷機械が展示されていた。
さっそく、今回の“アレキサンドリア図書館で本を読む”という目的を遂行するために書架に向かった。今回の中東の旅は、先人との対話を試みる旅でもあったので、なんとなく足は“哲学”のコーナーに向かった。Philosophyと書かれた一角にたどり着くと、そこには世界中のセレクトされた本が静かに僕を待っていた。その中の一冊を手に取ると、空いていた近くの机で1時間近く読書に耽った。
なんという贅沢だろう。世界一古い図書館のあったところで、時間を気にすることなく哲学書が読める。しかもここはエジプトで、目の前は地中海だ。求めれば手に入る有難い時代に生きていることを実感させられる。だったら、好きなことはせにゃそんじゃわな。
それにしても、なんで人は古いものに会いに行きたくなるんだろう。古いものを訪れ、その当時そこに生きたであろう人の心に添ってみようとする。なぜそんなことするのだろう。単なる好奇心からか?何かを求めてそうするのか?それとも人は、先人たちが残していった遺跡を前に、自分たちが死んだあと世界はどんな風に残ってゆくのかを確かめたくてそうするのか?
誰か教えて欲しい。
PR
うらやましいです!籠りたいです。
それにしても、すばらしい建造物ですね。