
(満州キリギリス)

(キリギリス)
上海に行ったときに骨董品を見に行こうと、“東台路骨董市場”に出かけた。一通りぶらぶらしたけれど、どこも似たり寄ったりの品揃えで値段も観光客相手のせいか高めだったのでそのうち見るのを辞めて、さらに西のほうへ行ってみることにした。そこで、すぐ目の前の西蔵南路を渡ったら、何やら騒々しい感じが伝わってきた。そこで何事かと足を踏み入れると、そこは虫や鳥などのペットを扱う“上海万商花鳥虫交易市場”だった。
上海のペット市場は物量の多さで圧倒していた。というか少々狭めの路地にわさっと店が立ち並んでいるために、そう見えてしまうのかもしれない。とにかく日本ではお目にかけない生き物たちと陳列方法に好奇心が刺激されっぱなしだった。その中でも目を引いたのが“虫”コーナーだった。そのグロさ(単に自分が見慣れてないだけで虫は生まれてきた姿のままでいるだけで何の罪もない)もさることながら、大の大人達が真剣に品定めをしているその姿に、新鮮な感動を覚えた。
生き物と言えば、人は誰しも“生き物ビックリ遭遇体験”を持っている。『こんなびっくりするのを見た』という経験だ。僕の場合も三つある。一つ目は幼稚園の頃。神戸の六甲山の森を家族と歩いてた。家族と少し離れて歩いていたら、胴体だけで軽く直径30cmはある大ガエルと鉢合わせした。奴はしばらくじっとしていたが、そのうち森の奥へと消えていった。二つ目はメキシコのプエルト・バジャルタに住んでいたとき。ある夜更け、ベランダの椅子に座り月を眺めていたら、15メートルほど先の塀の上をカピパラのようなネズミを巨大化させたような生き物が2匹よろよろとどんくさそうに歩いていた。あまりの不思議な光景に唖然としていたら、その2匹は崩れ落ちるように隣の空き地へ姿を消した。いったいあれは何だったんだろう?もう一つは、ペルーのアマゾン川支流のジャングルで。森の中を歩いていたらガイドが止まれと合図する。その目の前には黒っぽい巨木が生えていた。突然ガイドがパンっと手を叩くとその木の表面が動き出したのだ。思わず腰が抜けそうになったが、よく見ると何千何万匹のムカデが木にへばりついていた。
本当に世界は広く生き物もたくさんの種類がいる。僕たちはその殆んどを知らずにあの世に旅立ってしまうのだ。そう考えると、たまには未知の生物に会いにいくのもいい。でも、だからと言って、“つちのこ”探しするのはどうかと思うけどね。
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