
エジプト旅行中、ダイビングで有名な紅海の町ダハブからバスで12時間ほどかけてルクソールに着いた。ホテルを決め荷物を置いて早速町に繰り出して見つけたのがこの、店頭に所狭しと並べられた壷焼き料理“ターゲン”だ。ちょうど昼時で腹ペコだったので迷わず店に入って注文した。どうやらセットになっているらしく、刻んだレタスのサラダと“アエーシ”という平べったい丸型で中が空洞のパン、そしてターゲンが出てきた。黒い溶岩を固めて作ったようなごつい容器に入れられて出てきた魚ターゲン(魚と肉が選べる)はアツアツだった。一口食べると、魚の出汁が絶妙で中に入れられたトマトなどの野菜とうまく絡み合ってとても美味い。塩味も効いていてパンと交互に食べてちょうどいいバランスだ。日中外は40度台なので汗で出て行った体内のナトリウムの分塩気がことさらうまく感じた。値段は、1壺10エジプトポンド。ドルにすると、約1.7ドル。今の円レートで約150円だ。
やはり、個人店が作る手の込んだ家庭料理は世界のどこでも有り難い存在だ。大手のチェーンレストランやコンビニのお弁当にはない豊かさがある。料理って作るのも食べるのもそれ自体が楽しいことなんだけど、現代人は刺激に飢えていてやることが多いせいか食べることに時間を費やさなくなった。ましてや作ることに時間を使うなどもっての他だろう。でも本当にスーパーのお惣菜で幸せか?久々にスローフードの本を読み返したくなった。
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