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メキシコ、カリフォルニア、日本 暮らしへの好奇心は尽きない
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コンドルが運んできたメール

1年ほど前からLa Paz/Boliviaに住む友人からメールが届いた。
大学院まで行った彼女は、エネルギッシュで有能だった。けれど
女性学のようなものを専攻した彼女には、どうしても日本の社会の
いびつなところ、男性優位から始まって対外閉鎖性、企業中心文化
などに我慢がならず、そのマグマはいつもふつふつと煮えたぎっていた。

そんな中、あるオーガニゼーションの仕事に応募した彼女はその仕事を見事勝ち取った。僕は最終的な決断を下せず迷っていた彼女の肩をドンっと叩いてあげた。「この経験はきっと人生の宝になるよ」と。そんな無精ひげ男の無責任なアドバイスを真に受け、彼女は機中の人となって颯爽と海の向こうへ飛び出していった。

その彼女から久しぶりに届いたメール。そこには雪を抱いたアンデスの山々を眺めながら、現地の人の正直さと優しさに日々接しながら生き生きと暮らしていること。先日の日本の地震のときには、有志でチャリティコンサートを開いたら600人くらいの地元の人が集まってくれて日本のことをみな気遣ってくれたことなどが書かれていた。

人が生き生きと生きているとき、多少の貧しさや苦労は問題にはならない。生き生きとした心から生まれ出てくるエネルギーは周りの人を幸せにする。彼女が求めていたものはそこにあったんじゃないか。経済レベルだけでの人との関わり合いではなくて、もっと根源的なもの、人と魂レベルで対話し合うということ。そして人に必要とされ人を必要とすること。そこに生きている実感を得て、自身の存在意義を見出す。それは死に臨むときにもっとも突きつけられるものなのかもしれない。「お前はこれまで何をしてきたんだい?」。そんなときに自分が関わった多くの人の笑顔を思い出せる人は幸せに旅立っていけるのかもしれない。

残念ながら世界第3位のGNPを誇る今の日本では、個人が生き生きと人生を生きられる環境はすでにないのかもしれない。生き生きと生きるのは個人の心構えの問題でしょうという人がいるかもしれないけれど、人間が社会的な生き物で絶えず周りからの影響を受けて生きざるを得ない以上、個人の心構えだけで解決できる問題ではない。

LaPazからのメールは生き生きと生きることについて改めて考えさせてくれるものだった。
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WELCOME TO Move On

異文化と自然を愛するイグアナ楽団のページへようこそ。これまでメキシコとアメリカに合計10年住んできました。それ以来人生の歩き方をテーマとして追い続けています。海外を旅するといつも考えさせられる豊かさとは何か。それについて思ったことを書いていきます。
プロフィール

HN:
イグアナ楽団
性別:
男性
自己紹介:
好きな言葉:「生きていくうえでもっとも大切なことは、自らを律し、可能な限り自分に正直であること」
by Robert Redford

mail : cocovenice@gmail.com
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