
(ジオラマモードin七里ガ浜)
人は実は大きな壁にぶつかると自分を見失ってしまうことがある。けれど、問題が生じて始めて自分を振り返ろうとする人間にとって、そういう壁こそ自分を成長させてくれる貴重な機会になるので、壁は一概に悪いものとも言えない。けれど壁は必ず乗り越えなければならないものなのだ。
そんな壁を乗り越えようとするときに起きるやっかいな問題は、迷宮に迷い込んでにっちもさっちも行かなくなってしまうことだ。あれやこれやと考えてるうちに、ますます問題が見えにくくなって身動きが取れなくなる。そして焦った結果、誤った判断をしてしまうのだ。その原因は自分を見失っていることにある場合が多い。意外なことかもしれないが、迷宮に迷い込んだときには普段接する周りの人に自分について素直に聞いてみることで突破口が開けることがある。
最近自分も、乗り越えようとするときゅっと伸び上がって自分を阻止しようとする伸縮自在なやっかいな壁にぶつかったので、先輩に聞くことにした。「あの~、自分って周りから見るとどんな人間に見えます?」。すると、「我がかなり強い。格好つけようとして裏目に出てしまってる」という予想以上にストレートでショッキングな答えが返ってきた。カッキーン。他人の分析ってかなり鋭い。思い当たるふしもあり、的を得ている。煩悩の炎がじりじり音をあげてくすぶり始める。ここで引き下がってはいけない。愚問かと思いつつもさらに聞く。「じゃあ、どうすればいいんでしょ?」。返ってきたのは、「バカになれ。忘己利他!」という一言。カーツ。そのとき、何かが自分の中ではじけた。そして、霧の先方に一瞬薄明かりが見えた気がした。
新しい世界は、自分を知ることから始まるのかもしれない。
壁にぶつかり停滞してしまったとき、先ずは己の姿を知ろう。そこから何かが変わり、運命が再び動き始める気がする。
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