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メキシコ、カリフォルニア、日本 暮らしへの好奇心は尽きない
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戦争の爪あと in 上海


(上海大廈、別名ブロードウェイマンションという名のホテル)

昨年上海に初めて行った。タイ航空のマイレージが溜まったのでプーケットかカトマンズに行きたかったのだが、座席が取れなかったので急遽提携する他の航空会社での上海行きに決めた。そのとき中国に全く興味がなかったが、行く以上何かテーマを見つけなきゃ面白くない。そこで上海について調べてみると、ここは19世紀終わりの帝国主義の時代に列強各国がそれぞれの租界を設け、さらに結社や難民などが入り乱れ魔都と呼ばれる国際都市が出来ていたことが分かった。

各国のスパイが暗躍する“魔都”。そこに興味を惹かれ、今回の上海行きは日本の租界時代の爪あとを探す旅にすることにした。調べてみると、日本の租界があったのは上海の虹口と呼ばれる地域。ここにはかっての日本軍にゆかりのある建物が複数残っている。いくつかの小説やガイドブックを読んで当時のことが頭に入ってくると徐々に上海行きが待ち遠しくなった。

上の写真は1936年に建てられ翌年日本軍に徴発され今はホテルとなっている虹口地域の玄関に立つブロードウェイマンションだ。周りを近代的なホテルに囲まれたアールデコ様式のその建物は、虹口に向う橋から眺めるとまるで時代を飛び越えてそこに佇んでいるような存在感を放っている。ここで日本軍の政策会議が開かれていたんだと思うと何ともいえない感情が込み上げて来る。ここで戦争反対だなんて言うような無粋なことはしない。ただ単に生きた歴史の場に居合わせられることに感謝し、そこに身を置いて感じるだけ。

他に、当時の旧日本陸軍司令部や日本人学校、そして日中戦争前の四角い電柱(奇跡的に遭遇)などを歩き回って発見し、仕上げにタクシーをチャーターして片道1時間半かけて揚子江を覗いてきた。そこにはもうどこにも戦争の香りは残っておらず、金儲けに忙しい中国人が慌しく行き交うのみだった。

最後に、当時の気分を味わうに持ってこいの本を紹介したい。その名は「黄土の奔流(生島治郎」 。
1920年代の熱い中国を舞台に日本人が活躍する冒険小説。よくまあ細部まで調べていて臨場感たっぷり。お盆の帰省にかばんに忍ばせたい一冊。
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異文化と自然を愛するイグアナ楽団のページへようこそ。これまでメキシコとアメリカに合計10年住んできました。それ以来人生の歩き方をテーマとして追い続けています。海外を旅するといつも考えさせられる豊かさとは何か。それについて思ったことを書いていきます。
プロフィール

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好きな言葉:「生きていくうえでもっとも大切なことは、自らを律し、可能な限り自分に正直であること」
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