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メキシコ、カリフォルニア、日本 暮らしへの好奇心は尽きない
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宇宙に行って帰ってきた風船

Homemade Spacecraft from Luke Geissbuhler on Vimeo.


このビデオ、週末のお父さんが子供と一緒に風船遊びをしているような感じで始まる。しかしそこで気を抜くとやられる。なんとその風船が宇宙まで行ってしまうのだ。

装置の仕組みはシンプルだ。小型のビデオカメラとiphoneに連動したGPSを手作りの箱に納め、それを風船と共に上昇させ成層圏(高度約10~60km)まで到達させる。そして予定通り風船が破裂し落下状態に入るとパラシュートが開きゆっくりと予想落下地点目がけて落ちていくというものだ。一見簡単そうだが実は実現までに8か月間もの用意周到なリサーチと実験を繰り返してきたらしい。

ビデオを見ると、打ち上げ70分後にはなんと高度10万フィート(約30km)にまで達している。高度3万フィートまでは飛行機の窓から眺める景色だが、その倍の高度6万フィートを超えると地球の丸みが視界に入るようになり空の色も漆黒が強くなって宇宙感が増してくる。10万フィートでは風船は無重力状態になり上昇をやめた。

最終的に風船は予想落下地点からたった48キロしか離れていない所で、15メートルの木に引っ掛かって無事回収された。高度10万フィートから落下したものが自力航行装置もつけていないで風だけを頼りに、打ち上げ地点からわずか48キロの土地に落ちるなんてすごい。遠く離れた太平洋のどこかに落ちてもおかしくない。相当風の研究を重ねたんだろうね。その小枝がからまった手作りパラシュートが宇宙からの回帰という偉業を成し遂げたとはとても信じがたい。そのぼろっちいパラシュートが何だかけなげに思えてきて愛しさを感じた。

それにしても、『ちょっと風船で遊んでます』って感じなのにやることはすごいお父さんがクールだ。子供の頃のような遊び心も忘れていない。やっぱり普段の生活の中でそういうことにかまける時間があるんだろう。最近読んだ『ライフスタイル発想』(今成宗和/半蔵門出版)の中で、「マスの商品やサービスに依存する生活と、地域社会に関わる生活と、個人の楽しみに時間やお金を使う生活がそれぞれ三分の一ずつ占める生活がこれからは理想的だ」と書かれているのをみつけた。そういう自由時間が新たなことの創造に結びつく。また自分の中に新しい何かを作り上げるにもやはり自由時間が必要だ。そういうものが出来上がると生活がぐっと楽しくなってくるに違いない。このビデオはそんなメッセージも発している。
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アランの教え


(ルクソールの王家の谷近くで建設中のブティックホテルを見学するアラン)

旅に出るとその後の人生で忘れられないような人物に出会うことがある。ルクソールの安宿で出会ったフランス人のアラン(Alain)もそんな一人だった。彼とは朝食のときの相席がきっかけで、3日間の付き合いは始まった。(不思議なのは、朝食の席を取り、トイレに行って戻ってきたら彼が同じテーブルの前の座席に座っていたのだ。他にも空いているテーブルはたくさんあったのになぜだ?)

彼は、モロッコで9年経営していたブティックホテルを売り払い、3年をかけての長旅の途中で、徒歩と乗り物を織り交ぜるスタイルでモロッコ~ヨーロッパ~ギリシア~トルコ~シリア~イスラエル~シナイ半島を旅してここにたどり着いた。歩いて旅をするとき泊まるところはどうするのか聞いたら、「地元の人に今晩泊めてくれるようにお願いする。もちろんお金は払うことはなかったよ」と言っていた。彼はゲイで同時にチベット仏教徒でもあった。

出会った翌日、タクシーをチャーターして彼とルクソール西岸の王家の谷やその他の神殿を見に行った。遺跡を見学し終えて僕たちのタクシーが集合地点にやってくるのを待っている間、ひとりの物売りが観光客に片っ端から声をかけてことごとく断られているのを見かけた。その男は売れ行きが思わしくないせいか強引で暴力的な雰囲気を発していて観光客も避けて通るありさまだったのだ。少しすると、その物売りがこちらのほうへやってきて、血走った眼でアランを睨みつけると半ば強制的に持っていたファラオの粗雑な置物を売りつけようとしてきた。すると、微動だにせず物売りの口上を聞いていたアランは、その男が話終えても相手の目を優しくじっと見つめ続けたままだ。そのまま15秒ほど経つとペースが乱されたのか物売りが大人しくなった。そこでアランが口にしたのは次の一言だった。

なんで君は僕にこれを売りたいの?

突然こう言われた物売りはきょとんとしてしまった。そりゃそうだろう。物売りになぜそれを売りたいのか聞く人はいない。それを相手の目をじっと見つめながら言うのだ。物売りの思考回路がおかしくなっても無理はない。アランは続けて言った。『俺はこれを必要としていない。だから買わないよ』と。そして優しいまなざしを相手に向けながら、『そんな態度では誰も買わないよ。もっとにっこり笑ってお客さんをつかまえなきゃ』と続けた。すると荒々しかった物売りが、『今日は朝からひとつも売れてないんだ』と心の内を打ち明けてきた。それから物売りと観光客という枠を超えた二人のやり取りがしばらく続いたが、やがて僕らのタクシーがやってきて幕を閉じた。別れ際の物売りは彼にすっかり感化されたようすで笑顔を取り戻していた。そしてあたかも古くからの知り合いであるかのごとくアランと別れの挨拶を交わすと物売り達の輪に戻って行った。

彼と行動を共にした3日間の間でこういうシーンを何度も見た。彼は言う。『物売りたちを観光客は邪見に扱う。物売りも人間なのでそういう扱いを受ける彼らは実は傷ついているんだよ』と。

どんな時でも笑みをうかべ落ち着いて対応するアラン。類まれなコミュニケーション能力と頭の回転の速さとユーモアを持つ笑顔のいい男。でもやはり彼の核となっているのは、厳しいまでに本質を見る目と人間に対する愛だ。今頃も世界のどこかでみんなに愛をふりまいていることだろう。
紅海を後悔せずに航海したい



ヨルダンからエジプトへ向かう旅行者は、陸路ならイスラエルに入りシナイ半島東部のエジプト側国境も町ターバ(TABA)へ抜けるか、ヨルダンのアカバ(Aqaba)からエジプトのヌエイバ(Nuweiba)まで紅海をフェリーで渡るかのどちらかだ。僕は今回フェリーで渡ることにしたのだが、うわさ通りの一日仕事になった。

その日はぺトラ遺跡の町ワディ・ムーサのホテルに頼んでいたバスに朝早く乗って確か1時間ほどでアカバの港に着いたと思う。そこでフェリーのチケットを購入し出国手続きを済ませ余ったヨルダンのディナールをエジプトのポンドに両替して(この両替のレートが完全にこちらの足元を見たレートで係りの対応も最悪だったお陰でフェリー乗り場の情景を今でも覚えている。意外とそういうもんだよね旅って)後は出港を待つのみとなった。このとき、同じ宿に泊まっていた韓国美人2人組と行動を共にしていたのでここまでは極楽気分だったのだ。気が付くと僕らの周りには類は友を呼ぶといった感じで大きな荷物を背負った外国人旅行者が集まり始め、その数は15人ほどにのぼった。

それから1時間たっても何のアナウンスもない。美女軍団が差し出した木の実も食べ飽き、いらいらしながらさらにじっと待つ状態が続いた。2時間ほどしてさすがに心配になり(このフェリーは突然欠航するので有名)、フェリー運航会社の窓口に聞きに行くと「もう少し待て」とてんで埒があかない。しかし表を見ると他のアラブ人たちが続々とバス(フェリー発着所へはバスでしか入れない)に乗っている。彼らを指さしてどうなってるんだと問いただすと、頷きながら「あれに乗れ」とわけの分からないことを言う始末だ。もう文句をいう気力も失せて、韓国美女のもとへ戻って行った。

結局それから約1時間ほどして結果的に何とか乗船出来た。しかしそれも何のアナウンスもなく突然バスに殺到するアラブ人達を見て動物的カンで僕らもそれに続きそのバスに飛び乗って何とか乗船にありつけた次第だ。信じられないのは、乗船時に政府観光局とおぼしき男がやってきて、このフェリー港のサービス満足度についてのアンケートを僕ら外国人旅行者に配って回ったことだ。もちろんドクロのイラストと共に思いつくままの罵詈雑言を書いたことは言うまでもない。

そのフェリーにはどこの国かは不明だがアラブ人がたくさん乗っていた。ちょうどこの港のあるアカバはサウジアラビアとの国境まですぐのところにあり、イスラム巡礼月ハッジになると聖地メッカやメディーナ(ここから数百キロのところにある)を目指す北アフリカやアフリカなどの近隣国から来るイスラム教徒でこのフェリーはすし詰め状態になると聞く。そのときはハッジではなかったが、彼らもそんなメッカやメディーナに普通に巡礼(ウムラ)しに行った帰りかななんて想像した。

このフェリー、一応国際航路ということで免税店が有った。残念ながら写真を撮るのを忘れてしまい何が売っていたか思い出せない。僕たち外国人旅行者はスナックコーナーに陣取ってぺちゃくちゃやりながら、そしてアラブ人たちに物珍しそうなまなこでじろじろと見られながら紅海
を渡って行った。
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WELCOME TO Move On

異文化と自然を愛するイグアナ楽団のページへようこそ。これまでメキシコとアメリカに合計10年住んできました。それ以来人生の歩き方をテーマとして追い続けています。海外を旅するといつも考えさせられる豊かさとは何か。それについて思ったことを書いていきます。
プロフィール

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イグアナ楽団
性別:
男性
自己紹介:
好きな言葉:「生きていくうえでもっとも大切なことは、自らを律し、可能な限り自分に正直であること」
by Robert Redford

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