×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
|
メキシコ、カリフォルニア、日本 暮らしへの好奇心は尽きない
| |
レバノンの『バールベック遺跡』をぜひ見たいと思い、シリアのホムス(HOMS)からレバノンの北部の国境越えのルートを選んで向かうことにした。 実はこの国境越えが実現する前日は大変だった。滞在していたアレッポからホムスにバスで移動し、そのバスターミナルから国境越えの乗り合いタクシーがある小さなターミナルまで10分ぐらいで着いたまでは良かったのだが、乗客が3人ほどしか集まらずタクシーの運転手に『お前があと二人分払ってくれないか、そしたら出発する』と持ちかけられたのを断って結局5時間つぶすことになり、その日は国境越えのタクシーは終ってしまったのだ(結局的にこのオプションを取っていれば安くついた)。 夕方になり気温も冷え込んで来たのでしょうがなく町まで戻って1泊し翌朝出直すことにした。そこで通りに出てタクシーをつかまえたのだが、降りるときにトラブルを起こしてしまい刃物沙汰にまで発展する羽目になってしまった。 そんな一日をつぶして臨んだ2日目だったが、結局3人分の料金でタクシーをチャーターしてヨルダンへと出発した。お陰で前のシートにふんぞり返って国境越えの手続きもひとりなので早く済み、おまけに途中ドライバーの新築の家まで見せてもらい(驚いた。日本でいう5LDKの家で庭は広く、石をふんだんに使った豪邸だったんだよ。)、ダイレクト超特急で2時間少しでレバノンに着くことが出来た。お金で買える時間もあるんだね。 さて、上の写真はレバノンに近づいたときに窓から撮ったもの。手前に見えるのは『ベーカー高原』だ。その後ろに雪を抱いているのがレバノン山脈でこのあたりはレバノンワインや良質なレバノン杉の産地としても有名。この山脈のすぐ裏がベイルートで地中海に面している。 ベーカー高原って名前はそれまで何度か新聞などで目にしていた(紛争がらみで)のでドライバーが教えてくれたときは少し感動した。ここにいるのがまだ信じられなかったから。この景色を目にしたときにはもう前夜の忌々しい出来事なぞどこかに吹っ飛び、心は完全に想像の世界を彷徨っていた。 このルート、観光客もそう多くはなく中東の日常を垣間見ることが出来た。このとき、Move onの風が吹いているのをしっかりと感じた。 PR Jorgeはスペイン語ではホルへって読む。でもなぜかジョルジェと呼びたくなるような少しイタリア人を彷彿させるようなイメージの男だった。 彼はかつて僕が住んでいたメキシコのコンドミニアムのお隣に、気が付くと居ついていた。どうやらそこの住人のフォーシーズンでシェフをやっている男の同級生とかでメキシコシティから流れてきたらしい。 何回かのゴミ出しで僕らは顔見知りになった。 そして何回かの夕暮れのプールでの鉢合わせで友人になった。 そのプールはどんな虫も寄り付かないほどの塩素投入で他に入る者がいなかったのだが、そんなプールで端から端へと気持ちよさそうに潜水で行き来していたのがジョルジェだった。 ある日奴は地元でナンバーワンのレストランに働き口を得た。そこはあのメキシコで人気のロックバンド『MANA』のベーシストだか何だかがオーナーのスノビッシュなイタリアンレストランだった。一度行ったが、たいして旨くもないオイスターロックフェラーに結構な金をふんだくられて憤慨したことを覚えている。 そんな店のウェイター職を得た奴はそれから2週間後にはプールの常連に戻っていた。何やらあのレストランの雰囲気に肌が合わなかったらしい。おべんちゃらを言うようなタイプではない奴にとってチップ収入が全てのウェイターは難しかったのかもしれない。勤務中に突然嫌になってそのまま家に帰ったと後から聞いた。 奴に野菜炒めを振舞った日(確か友人竹がメキシコシティから遊びに来ていた)、奴が日ごろから書き溜めている水彩画を見せてくれた。けれど、これがかなりシュールな絵だった。どう見ても小学生のお絵かきにしか見えない。見せられた俺と竹はふさわしい言葉が見つからず困った。何か言ってやらないといけない。やっと竹が腹の底から絞り出すような声で、『Bien』(いいね)と一言つぶやくのが精一杯だった。 ジョルジェはメキシコシティでは知られた高級住宅地の白人家庭の出だ。そしてあの絵からも分かるようにかなり個性的な感性の持ち主だった。 ある日奴が昼ごはんを招待してくれた。覗きに行くと、近所でもらったウィトラコチェ(きのこの一種)が手に入ったから一緒に食べようという。そんな彼が振舞ってくれたのは、ウィトラコチェのケサディージャ(チーズタコス)だった。僕たちは黙々と彼の作ったタコスを腹に流し込んだ。その見かけの悪いタコスは予期せぬうまさだった。 また別に日には二人で家の前のビーチに夕陽を見に行った。メキシコでいい年した男二人でビーチに行くというのはホモ的行為以外の何物でもないが、ひとしきりバカ話をしたあと無言で夕陽を眺め合った。そんな日に限って、夕陽がとてつもなく美しく、それが逆に僕たちを落ち着かなくさせた。今思えば俺たちどんだけきもかったんだか。 それから少しして彼はメキシコシティへと戻って行った。彼との交流はほんのわずかな期間だった。でもお互い生きるために奮闘してた身だったせいか妙な親近感が沸き、短い間に理解し合うことが出来た。 あれから何年も経ったが不思議なことに今でも定期的にあのジョルジェのへたっくそな前衛芸術風の絵と奴が振舞ってくれた見かけは悪いが味は最高のケサディージャを思い出すのだ。 何かの本で読んだ。人間の脳は順序だって送られてくる同一信号には反応しずらくて、何かギャップのようなものにこそ注目すると。確かにジョルジェのことを考えるとこの説をなるほどと思う。奴の不器用だが味のある存在感は、まるできれいに並べられた既製品のグラスの中に紛れ込んだ、ガラス職人が精根込めて作った吹きガラスのグラスを彷彿させた。 大作家の作品をメキシコ時代を通じていろんな美術館で見てきたけれど、ジョルジェのへたくそな絵が一番印象に残っているという事実。人間というものの奥深さを感じずにはいられない。 イギリスの空港を舞台にした『T-Mobile』のコマーシャルの舞台裏を紹介したい。 参考までにT-Mobileはドイツテレコムの子会社でヨーロッパとアメリカでサービスを提供する携帯電話キャリアだ。加入者数ベースで世界第6位、通話国数でボーダフォン、テレフォニカに次ぐ世界第3位の規模を持っている。ま、日本でいったらNTTドコモだ。 さて、この会社のコマーシャルだが、ガトウィック国際空港(ロンドンの南、英国第2)の到着ゲートから出てくる旅行者をピアノでお迎えするというもの。ゲートの真横に置かれたピンク色のピアノの目立つことといったらこの上ない。けれど出てくる人には死角になって分からない。そこで待ってる人が観客になり即効で弾き語られた旅行者を笑うという実に楽しい趣旨だ。 見ているとメキシコ土産のソンブレロとかそんな目立つものを持ってると待ってましたとばかりにネタにされてしまう。ちょうどラスベガスのショーが始まる前に観客席を回ってピエロが悪さする様子が前方の巨大スクリーンに映し出されてみんなが大笑いするのに似てる。 今日もこの空港に降り立った世界中の善良な市民が身に降りかかるドッキリに驚いていることだろう。非日常は美しい。ガトウィック空港に気をつけろ! (↓これはヒースロー空港を舞台にした別バージョン)■■■ | カウンター
WELCOME TO Move On
異文化と自然を愛するイグアナ楽団のページへようこそ。これまでメキシコとアメリカに合計10年住んできました。それ以来人生の歩き方をテーマとして追い続けています。海外を旅するといつも考えさせられる豊かさとは何か。それについて思ったことを書いていきます。 プロフィール
HN:
イグアナ楽団
性別:
男性
自己紹介:
好きな言葉:「生きていくうえでもっとも大切なことは、自らを律し、可能な限り自分に正直であること」
by Robert Redford mail : cocovenice@gmail.com 人生のお買い物
最新記事
(12/22)
(12/19)
(07/16)
(06/02)
(05/03) カテゴリー
最新コメント
[05/13 Backlinks]
[03/25 イグアナ]
[03/17 ハナ]
[02/05 ハナ]
[09/24 イグアナ]
最古記事
(09/15)
(05/10)
(05/20)
(05/20)
(05/22) 最新トラックバック
アクセス解析
|